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本日より、ブログにて作品を公開していくこととしました。
つたない作品ですが、ここにこられましたら、何かの縁。
よろしゅうお頼み申します。
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2031.05.24 Sat l ご挨拶 l コメント (3) トラックバック (0) l top
「損しちまった。」
「なんだって?」
 隣の部屋から聞こえる声。
 右隣と左隣。
 どっちのセリフがどっちのセリフなのか。
「FXの攻略ブログを書いている最中・・・」
「大惨事だ。」
「操作ミス?」
 テレビの子供向けの漫画番組の声も混じる。
 手元のアイスクリームが溶けてしまって、手袋にしみこむ。クリーニングせなあかん。
「しかし、叫んではいないぞ」
「おやつを食べられなくなってしまったのだ。」
 隣の部屋もテレビをつけたようだ。
 電話じゃなかったのか。じゃあ、誰か他に・・・。
「アイスクリンだろ、それは」
「FXとミニ株の違い・・・それは・・・」
 肝心の話が聞き取りにくくなった。
「交換なのだ。」
「確かに・・・アイエスクリーンであるともいえるが・・・」
「等価交換なのだ。」
「あのとき、もっと注意深く操作していれば・・・」
 もう、これ以上、イヤフォンを耳に突っ込んでいても意味がない。
 俺はそれを抜き取って、テーブルの上に置き、キッチンへ向かった。
 お湯が吹きこぼれて、もう少しで火事になるところだった。
 ふぅ。
 カップ麺はお預けだね。
「おやつを食べられなくなってしまったのだ。」
 誰かが、俺を監視しているのか?
 テーブルの上に置いたイヤフォンの上に無意識のうちに置いていたアイスクリームが、気がつくと、全部溶けていた。
 盗聴システムが・・・。
 しょうがない、また、隣三軒両隣が留守の時に仕掛けるとするか。
 俺は溶けてしまったアイスでドロドロになったイヤフォンをゴミ箱に捨て、もう一度、湯を沸かすために薬缶に水を汲みに廊下に出た。
「RNAエクスチェンジとの違いは?」
 廊下に出ると、見慣れぬ男が隣の部屋のドアに半身になるようにして何か喋っていた。
「押し売りですか?」
「ん、い、いや、そうじゃないんだ」
 身なりのいい男にありがちな気の弱い男だ。
「でも、誰かいるんですかね、そこ」
 そう言うと顔色を変えてそいつは階段のほうに走り去った。
 ドアが閉まる時、ちらりと見ると、隙間から見えたのは・・・どっかで見たことがあるような気がするが・・・誰だったっけ?
 お湯を汲んで戻るとテレビが
「たぶん、みんな同じだ。以上のことから、失敗の理由は判明した。しかし、失敗の理由がわかったからと言って、勝てるとは限らない」
と何か海外ドラマの再放送を流していた。
 薬缶をガスコンロにかけながら、それもそうだな、と思いながらも、今度はカップ麺がちゃんと喰えるように気を付けておかなきゃ、と心の中でつぶやいた。

2013.02.11 Mon l SMS l コメント (0) トラックバック (0) l top
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